新築と中古一戸建ての供給価格【2023-03-04更新】 | 八千代市・佐倉市の不動産のことなら川島不動産
2015年6月のニュース
新築と中古一戸建ての供給価格vol.88
下記グラフは、首都圏の新築と中古一戸建ての供給価格を示したものになります。顕著なのは、東京都は新築物件価格より中古物件の価格が上回っております。他の県にはない現象です。
もっとも都内の建売住宅は価格を抑えるため、土地が15坪程度で販売されるケースが多いのに対しもう少し広い土地に住みたいという方が中古住宅を選択しているのではと思います。都内は坪単価が高いので、1坪違えば100万単位で金額が変わります。やはり、都内の市況とその他の地域を一緒に考えてはだめだなと思います。
反対にその他の県は、概ね新築物件と中古物件の差額が500万円前後となっておりますので、中古物件を買うか、あと500万円出して、新築物件を買う かという決断を迫られます。価格が同じであれば99%の人が新築物件を選択するとは思いますが、その差は500万円です。
人間のお金に対する感覚は、その額が大きくなるほど麻痺します。またそれがローンを組むとなると更に麻痺します。車で言えば10万単位は気にしなくなり、不動産であれば100万円単位ではないでしょうか。35年ローンともなると借入れが100万円増えても月々の支払いは数千円しか増えません。だったら新築を買おうという人が、特にこれだけ新築住宅の供給戸数が多い日本では非常に多いのかなと思います。
しかし、よく考えてみると500万円は普通の人にとっては、大金であります。中古物件を選択することによって500万円分貯蓄が出来ると考えると家計にとっては非常に大きいことのように思います。日本は今後、世界に例のない超高齢化社会を迎えます。そして社会保障費用の負担は益々上がっていかざるを得ない状況です。おまけに終身雇用や年功序列の給与体系も変化しつつある昨今においては、老後まで考えた資金計画をたてなければ、非常に不安の大きい時代です。私は、無理をしてまでは新築物件にこだわる必要はないのではないかと思います。
塩田了丈