ハンコ文化【2023-03-14更新】 | 八千代市・佐倉市の不動産のことなら川島不動産
ハンコ文化vol.152
菅内閣に変わりまして、行政改革等の担当に河野氏が任命されました。就任早々の深夜の記者会見で「既得権・前例主義の最たるもの」と「カツ!」をいれて話題になりました。その後「脱ハンコ」を表明してまた話題になりました。左記円グラフは、アドビシステムズが経営者を対象とした「ハンコの利用実態調査」のアンケートですが、72.6%の方が生産性を下げていると回答しています。また、コロナによるリモートワークが進まなかった理由の一つも日本のハンコ文化と言われております。役所もそうですが、大企業等で決済を得るためには、様々な人の印鑑が必要になります。ワンフロアーならまだ良いかもしれませんが、そうでなければものすごい労力になりますし、仮に決裁者が不在であれば、時間もかかることになります。決して、生産性の高い作業とは言えないと思います。
不動産の契約という事になりますと、様々な書類に印鑑を押すことが必要になります。重要事項説明書、契約書、媒介契約書、領収書、鍵受領書等ありますが、途中から何に印鑑を押しているのか分からなくなるかもしれません。また、ローンの契約書も膨大な書類に印鑑を押すことになります。欧米ではサインが当たり前です。昔、口座引き落としの手続きに来た外国籍の方が、銀行印のところにサインをしていたのは、本当に新鮮でした。河野氏の発言によって、改めてハンコの問題を意識させられたのですが、実はコロナ禍の6月19日に、内閣府、法務省、経済産業省が連名で、「押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない」という正式見解を発表していたようです。
そして、少しずつではありますが、ハンコを押さなくて良い機会も増えてきました。保険関係の書類や最近では、宅配便も印鑑を求められないことが多くなりました。日本は、GDPこそ世界第3位ですが、生産性は2019年のデータによれば21位となっております。規制改革やハンコの事で言えば文化かもしれませんが、当たり前のことを見直すという視点は大切だと思います。
塩田了丈