景気回復には給料上昇が不可欠【2023-03-03更新】 | 八千代市・佐倉市の不動産のことなら川島不動産
景気回復には給料上昇が不可欠vol.83
昨年に勝田台の駅前に『住まい方相談所 リ・エルダ』をオープンさせていただき、介護関連ニュースへのアンテナが高くなってきているのですが、年明けに、都内の特別養護老人ホームのニュースがありました。介護職員の人数は充足しているかとアンケートを行ったところ47.5%の施設において計画する基準を満たせていなく、またその内の9施設においては指定基準さえも満たせていないという事です。
深刻な人手不足であると思います。私自身も実際、施設の事業者様と話をしていると必ずと言っていいほど話題になります。仕事は給料が全てというわけではありませんが、左記表をみると他業種に比べても極めて低く、ほとんど上昇もしておりません。また厚生労働省のデータによると介護職員の有効友人倍率(求職者一人に対する求人の数)は2倍を超えているという状況です。もっとも介護報酬は介護保険の枠の中から出ておりますので、施設事業者が人件費として出せる金額は他の民間企業に比べれば限界があります。給料を上げるには介護報酬を増額してもらうか、更なる効率化を進めるしかありません。しかしながら、介護報酬を増額するという事は介護保険料が上がる事であり、その負担は我々国民が為さねばなりません。ただでさえ日本の財政はひっ迫しております。
今後、介護保険サービスを利用する人たちは、増加の一途を辿ります。今のままで良い訳はありません。しかしながら、反面、行政が介護報酬を支払いますので、貸し倒れのない安定した収入を得られることも事実であります。よって、その制度を悪用する業者も枚挙にいとまがありません。行っていない介護サービスを行ったこととして介護報酬の請求をする等です。このような事業者はしっかりと排除していかないと制度自体が成り立たなくなるので、相互扶助の精神からいっても許されることではありません。
冒頭にも書きましたが、介護職員を含めまして、日本全体の給料が上がらなければ、景気回復はあり得ません。日本のGDPの約60%は個人消費です。輸出のGDPに占める割合は10%程度に過ぎません。日本人の平均年収は、平成9年の467万円をピークに平成24年には408万円と基本的には下がり続けております。その反面、社会保険料は年々上昇しております。何とも厳しい時代ですが、避けることは出来ません。大手企業におきましては、賃金上昇機運も少しずつ高まりつつありますが、日本の会社の99%を占める中小企業の業績が回復してこそ真の景気回復だと思います。お客様が喜んでお金をお支払いしていただくサービスをしっかりと提供していければと思っております。
塩田了丈