リ・エルダからの成約【2023-03-04更新】 | 八千代市・佐倉市の不動産のことなら川島不動産
リ・エルダからの成約vol.92
老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の斡旋をする住まい方相談所『リ・エルダ』のオープンから1年4ヶ月が経過しました。少しずつ斡旋数は増えてきてはいますが、まだ軌道にのったとは言えません。そんな中ですが、先月初めて施設事業様からの紹介により土地の売却が決まりました。
案件としましては、ご夫婦お二人が施設に入居しており、もともと住んでいた家は1年位空家状態となっておりました。お二人ともお元気ではありますが、80歳を超えるといつ何が起こるか分からないということで、息子様が特に心配しておりました。実際亡くなってしまった場合には、相続の問題がおきますので、ご健在の内にこの先の施設の支払いもあるので、現金化しておきたいとの思いでありました。
実際、弊社は施設の方と親しくはしておりましたが、最初息子様はインターネット等で5社以上の不動産業者に査定を依頼しており、弊社はその中の1つの業者に過ぎませんでした。ただ、ご両親は実際その施設で生活をしているので、お話をしに行くときは、施設の方にも気を使っていただき、話が出来たことは多少優位に働いたと思います。
誰しもそうだとは思いますが、できればご自宅で暮らしたいというのが本望であると思います。実際ご自宅は、数年前にリフォームもしておりました。しかしながら、中を見ると築40年近いという事もあり、雨漏りも発見されました。息子様も建物使用が難しいとの認識はしておりましたが、お父様は建物に価値があるとの一点張りです。おそらく私は、5回以上施設でお話しさせていただいたと思います。不動産を幾らで広告するかは自由です。相場は2000万円位でも3000万円で広告することは可能です。ただし、現実には成約しません。しかしながらお父様はなかなか相場を認めてはくれませんでした。ある日また、呼ばれた時には、お母様の方が家に帰りたいと言い出し、家族で少し激しい口論となりました。仕方なく私はその場を離れることになり、もうこの取引は無理かなと思っておりました。
すると後日、息子様より連絡があり、弊社の査定額より少し高い金額で売り出してほしいとの事でした。しかしながら当然に最終的に売却するときにはご本人の意思が重要になります。私も意思の確認にいきましたが、何かすっきりされたような表情で、いつもわざわざ来ていただいてありがとう、と言われたのが印象に残っております。するとほどなく購入希望者が現れ、契約の運びとなりました。後から気づいたのですが、お父様は、お母様の家に帰りたいという気持ちを尊重してわざと高い値段を言っていたのかなと思っております。息子様も実は相当遠方に住んでいたので、大変だったと思いますが、建物内残置物の撤去や境界の明示、役所関係の書類等は全て弊社で段取りして引き渡しを迎えることとなりました。最後に息子様が、初めから弊社1社に頼んでおけばと良かったと言ってもらった時には、至福の喜びを感じました。
塩田了丈