老後2,000万円問題 正論?【2023-03-14更新】 | 八千代市・佐倉市の不動産のことなら川島不動産
老後2,000万円問題 正論?vol.137
先月、老後資金が2000万円不足すると金融庁が発表し議論を巻き起こしました。デモが起きたり、有名人による論評が炎上したりして、話題を振りまきました。その後、老後資金の担当局長が退任するという事態になりました。しかしながら、この議論に関しては、今に始まった事ではありません。少しネットサーフィンするだけでも、2000万円どころか、3000万円、5000万円、1億円なんて話もたくさん出てきます。金融庁の発表は、老後において、あくまで平均的な支出をすると、月に約5万円不足するという話です。また、国民年金だけの人もいれば、企業年金に加入している人もいますので、そもそもの収入の側面においても人それぞれです。そのような中での、一般的な話、現実的な話をして退任まで追い込まれてしまうのは、どうなのかなと思ってしまいました。
もっとも、政府は年金制度を100年安心できるシステムと言っていますので、このような真実はあまり表に出したくはないでしょうが、そもそも年金のシステムは、働く人たちが支える賦課方式になっております。積立部分もありますが、ごく僅かです。つまりは、年金収入を増やすには働く世代から、もっと保険料を徴収しろという事になります。上記表は、年収が700万円だった場合の手取り額の推移ですが、ここ15年で約50万円減っています。結構すごい事だと思います。また、日々生活をしていると中々気づかない部分でもあります。
しかしながら、これは年金システムを維持する上では仕方のないことですし、サラリーマンは源泉徴収されるのでどうすることも出来ません。そうかといって、無駄を容認するわけではありません。権力に対する監視は絶対必要です。そして、少子高齢化は止められないという現実も受け入れなければなりません。つまりは、働く世代の税負担は今後も増加し続けることが想定されます。
10月には消費税も増税されます。日本景気は、良いとも悪いとも言えない状況だと思いますが、負担が増えることに変わりはありません。手取り収入が減少する中、嘆くことは簡単ですが、自分が出来る事をするしかありません。そうはいっても、価値観は様々です。人間いつ死ぬか分からないから、好き放題にするのも人生です。100歳まで生きることを想定する生き方も有りだと思います。しかしながら、政治的な要因なのか、利権によるものなのかは分かりませんが、正論を言う人が、バカを見るという事にはなってほしくないと思います。一方で、批判をすると一時世間の
注目は集められますが、対案がなければ、絵に描いた餅ということになります。
塩田了丈