民法改正(連帯保証人)【2023-03-14更新】 | 八千代市・佐倉市の不動産のことなら川島不動産
民法改正(連帯保証人)vol.148
コロナの影響で忘れ去られたような形になっていましたが、今年の4月1日から改正民法が施行されております。不動産の賃貸借にかかわる部分をまとめると、上記表になります。不動産業に携わっている人からすると、「何が変わったの」、と思うかもしれません。実際、【個人の連帯保証の範囲】以外に関しては、実務として過去においても行われてきた内容です。それを法律に明記したという形になります。時代に法律がついてきたという事になります。よって、実務上大きく変わるという事はありません。
ただし、【個人の連帯保証の範囲】に関しては注意が必要です。今までは、原則、借主の一切の債務を連帯保証人が、負わなければいけなかったのですが、4月1日以降、極度額を定めなければ保証契約自体が無効になります。保証の上限金額を定めなさいという事です。上限金額については特に定めはないので、賃料の6ヵ月、1年分等々決めることができます。当たり前と感じる人も、そうでない人も、いるとは思いますが、一切の債務を保証することは、その人の人生を大変なものにしてしまう可能性もあるわけですから、より良い方向なのかなと思います。
そして、連帯保証人においてもう一つ気を付けることが、更新契約になります。法務省の説明においては、改正法適用後、更新契約書に連帯保証人が署名捺印をした場合、改正法が適用されるとの事です。つまりは、極度額を定めなければ保証契約は無効となります。普通賃貸借契約は、継続的な契約になりますので、一般的に考えれば、新規に契約した時点での、法律が適用されると思われますが、法務省の見解は違います。よって、実務的には、極度額の定めのない更新契約書には、連帯保証人に署名、捺印をしてもらわない形をとるしかありません。うっかり従前と同じ契約をしてしまうと、保証契約が無効になる可能性があります。
そうは言っても、現在の賃貸借契約において、連帯保証人をとるケースは、ほとんどありません。実際、借りる側も身内に頼みにくいですし、貸す側も管理会社も、保証会社の方が回収できない可能性が低いと思っております。これも時代の流れの中での必然だと思います。
塩田了丈