どんどん使えるお金が少なくなる【2023-04-22更新】 | 八千代市・佐倉市の不動産のことなら川島不動産
どんどん使えるお金が少なくなるvol.180
本日は4月9日でありますが、一昨日実質賃金が11カ月連続で減少とのニュースがありました。経済的には暗いニュースとなります。最たる要因はインフレだと思いますが、社会保障や貯蓄のことまで考えると、更に不安が募ります。結果、人々が益々お金を使わなくなるという悪循環になってしまうのではと危惧しております。
上記表は、実質賃金と名目賃金を比較したものとなっております。実質、名目という言葉はGDPや金利等でもよく使われたりします。不動産の投資物件で言えば、名目が表面利回りで、実質がネット利回りという事になるかと思います。グラフを見ると2021年から2022年にかけて完全に逆方向に動いているのが分かります。貰える額(名目)は増えたのに物価が上昇したため、実際には給料が目減りしたということになります。
日本は、ずっとデフレでしたが、物価が下がっている状況で、名目賃金が横ばいであれば、実質賃金は増加するという事になります。銀行金利も相変わらず雀の涙ほどしかつきませんが、デフレであればモノの価格が下がっているので、実は実質金利は上がるという事になります。そして、今はインフレですので、実質賃金の減少もそうですが、実質金利も以前よりもっと下がってしまうという事になります。論理的に考えれば、預金はしないで早くモノに変えてしまえという事になります。実際には、そこまで極端なことは起こらないと思いますが、インフレはお金の価値が下がり、モノの価値が上がるという事なので、お金をモノに変える方が合理的ということになります。
実質賃金の減少も痛いですが、社会保険料の負担増も、私達の使えるお金という事になると減少を意味します。以前、老後2000万円問題の時に書いたのですが、年収を仮に700万円と設定した時に、2002年から2017年の15年間で手取りは約50万円減っています。そして、今はもっと減っているでしょう。また、ご存知の通り消費税は10%になっております。そして今回のインフレです。また、今後においても、社会保険料や消費税の負担増が避けられそうな雰囲気はありません。いくら額面の給料が上がっても、負担も同じように上がれば、結局変わらないですし、給料が横ばいや軽微な上昇であれば、使えるお金は実は減っているという事になります。
岸田総理は、異次元の子育て支援を表明しておりますが、まだ中身は分かりません。使えるお金が減っていく中、老後を含め、今後の生活に関して、自己責任と言われればそうかもしれませんが、それが行き過ぎれば、他人はどうでもよくなる社会になってしまうかもしれません。しかしながら、そのような社会が健全なはずがありません。自戒も込めて、改めて人との繋がり、相互扶助の精神を大切にしなければいけないと思っております。
塩田了丈