現金は大切【2023-03-13更新】 | 八千代市・佐倉市の不動産のことなら川島不動産
現金は大切vol.105
最近、住宅ローンが支払えないとの相談を2件受けました。一つは離婚が原因で、もう一つは給与の減少でした。史上まれに見る低金利ではありますが、支払いが困難になる方も当然いらっしゃいます。
様々な理由があるにせよ、根本の原因は、借り過ぎと自己資金の少なさです。年収に対する年間返済額の割合を返済負担率と言います。年収額にもよりますが、最高で35%と言われております。500万円の年収ですと、年間175万円、月々にすると約14万6千円の支払いという事になります。月々の返済金額から35年ローンを組み、金利を1.5%で計算すると借入可能額は約4,760万円となります。身の丈に合っていない借入額のように見えますが、借りようと思えば出来てしまいます。
夢のマイホームという言葉がありますが、夢はどんどん膨らみます。また、何千万という金額の買い物ですので、100万、200万位がどうでもよくなってしまう事もしばしばです。当初の予算をオーバーしてしまうことも多々あるのではないでしょうか。しかしながら、人生何が起きるか分かりません。上記のように離婚や給与の減少以外にも病気や事故、教育費や親の介護等で、将来、出費が増えてしまう事も考えられます。給与も右肩上がりではないですし、終身雇用や退職金等もあてにできる時代でもありません。様々なリスクを考慮して、無理のない返済計画を立てなければいけませんが、それでも想定外の事は起きます。その時に重要なのが現金です。
止むを得ない事由に限らず、不動産を売却する場合、大半の方には債務が残っております。売却金額が債務残高を上回っていれば、問題ありませんが、そうでない方が大半だと思います。しかし、足りない分を現金で補えれば売却は出来ます。もちろん買い替えでローンを組んで、不足分を補う方法等もありますが、余程の理由がない限りはお勧め出来ません。
現金で補えない場合は、売却は出来ません。住み続けるしかありません。それでも、毎月の支払いが出来なくなった場合には、任意売却という手続きがあります。インターネットで検索すると、専門業者はいくらでも出てきます。債権者と交渉をして、債務残高に満たない金額で抵当権を抹消してもらいます。そこでの交渉が不調になりますと競売という形になります。しかしながら、任意売却、競売のいずれにおいても不動産は売却できたけれど、残った債務は払い続けなければいけません。また、任意売却、競売の手続きにより売却をしますと、通常の取引価格より安くなってしまいます。いずれにしても普通に売却できることがベストです。
住宅ローンを組むにあたって、月々の支払額が重要なのはもちろんですが、自己資金もしっかりと蓄えないと、リスクに対応出来ないという事になります。
塩田了丈