自己破産する家主が増加【2023-03-13更新】 | 八千代市・佐倉市の不動産のことなら川島不動産
自己破産する家主が増加vol.106
12月5日の全国賃貸住宅新聞に『自己破産する家主が増加、業者にカモにされた医者や外資系サラリーマン』という記事が掲載されました。以下は抜粋です。
<金融緩和で融資条件が緩くなり、新たに不動産投資を始めたサラリーマンが条件の悪い物件を購入し、破産する問題が浮上している。共通するのは、医者や外資系企業勤務者など高所得者だ。その裏で、金融機関と不動産会社の癒着や、悪質なコンサルティング会社も暗躍している。元金融機関出身のAオーナーのもとに破産寸前の家主が相談に来るようになったのは2015年の終わりからだ。
これまで7~8人から相談を受けたという。
「属性は見事に2つに分かれる。年収2000万円以上の外資系企業のサラリーマンか、勤務医だ。奥さんから不動産投資を始めたいと頼まれ、不動産会社主催のセミナーに行きはまってしまう」とAオーナーは話す。以下省略>
マイナス金利の影響で、収益物件に対する金融機関の貸し出しが急増している話は、何度か書かせていただきましたが、それを象徴するような記事です。上記記事は、地方のRC物件のケースになりますが、なぜRCかというと建物の法定耐用年数が長いからであります。一般的な耐用年数は下記の通りとなります。
RC:47年 S造:34年 木造:22年
金融機関は、原則上記耐用年数を基に融資をします。よって築22年を経過した木造物件には原則論でいくと融資がつきません。RCですと20年経過したとしても、残存期間が27年ありますので、金融機関は安心して融資できると言えます。不動産は融資に頼らざるを得ない買い物です。融資を受けやすいRC物件の価格が高騰するのも頷けます。
そのような形で、融資競争が過熱し、上記のようなケースが増えてきているのだと思いますが、おそらくコンサルティング会社や不動産会社の口車にのせられて物件の詳細を知ることなく、買ってしまったのだと思います。また、銀行が頭金なしで、融資してくれる場合など、銀行が評価してくれたから安心と思ってしまう場合もあると思います。銀行側とすると上記のような高所得者ですと、例え賃貸経営が失敗したとしても、高額な給与収入があるという思惑があるかもしれません。
今月、接客した収益物件を検討しているお客様は、物件を実際に見るというのは当然ですが、最寄駅から物件まで歩いて環境を確認したり、条件の良い融資を得るために100件近く電話をするというので、とても感心させられました。やはり努力することなしに、成功はないのだなと改めて思い知らされました。
塩田了丈