不動産融資拡大【2023-03-13更新】 | 八千代市・佐倉市の不動産のことなら川島不動産
不動産融資拡大vol.108
2月10日の日経新聞の記事です。
「2016年の金融機関による不動産融資は前年を15.2%上回る12兆2806億円だった。統計を遡れる1977年以来で過去最高だ。地価上昇で不動産投資信託(REIT)向け融資などが増えた。「バブル」といえるような状況にはないものの、節税を目指したアパートの過剰建設などひずみも広がる。金融庁や日銀は少し警戒のレベルを引き上げている。」
過去最高という事は、バブル期よりも貸し出しが多いという事になります。警戒するのも当たり前ではありますが、デフレ脱却のための政策として金融緩和が行なわれており、必然であるとも言えます。日本は失われた20年とも言われるように長きに渡る不況(デフレ)に苦しんできました。小泉政権下で少し良くはなりましたが、リーマンショックで再び停滞してしまいました。その後、安倍政権が誕生し、消費税増税、チャイナショック、イギリスのEU離脱、トランプショック等の浮き沈みはありましたが、直近の状況を株価で見れば、1万9千円台です。バブル期の最高株価は3万9千円台ですので、全体としてはバブルとは言えず、インフレ目標の2%も達成していない状況です。
問題は、融資先が不動産に偏っている事でしょう。実際、弊社におきましても1月中に賃貸住宅を建てるために土地を契約された方が2人いらっしゃいました。明らかに以前より増えてきております。また、今後の購入意欲も非常に高いです。お客様はハウスメーカーさんから紹介してもらっているのですが、他にも賃貸住宅を建てるための土地を探している人が、たくさんいるそうです。賃貸住宅と言えば、以前は地主さんが相続対策のために行うのが一般的ではありましたが、今や個人の投資家が物凄い勢いで参加しております。
60坪以上あるような大きな土地の場合、個人では買いきれないケースも多く、建売住宅の業者様に買ってもらう事も多かったのですが、今や賃貸住宅を建てる個人投資家の方が高く買ってくれます。ただし、立地は重要です。少なくとも駅徒歩10分以内です。現状、家賃が上がっているわけではありませんので、土地に一昔前よりお金をかけられるようになったのは、金利を含めた融資条件が大きく影響しているのだと思います。2015年度の相続税法改正、金融緩和、賃貸住宅投資ブームの3要素が重なりあい、賃貸住宅は加速度的に増加しております。当然ではありますが、空室も増えています。
昨年12月に神奈川の空室率は何故高いのかというテーマを会社から与えられ、地元の業者さんに話を聞いてきました。実際、不動産関連のニュースを見ると神奈川の空室率上昇の記事はすぐ見つかります。しかし、よく調べてみると、東京、千葉もほとんど同じ状況です。供給に対して需要が追いついていない状況です。また、明らかに二極化が進んでおります。全体としては空室率が上昇しておりますが、良いエリアと悪いエリアの差がより顕著になっています。当たり前の事ですが、良いエリアの物件をつかまないと、先行きは相当暗いと言えます。
塩田了丈