3戸に1戸が空き家になる【2023-03-13更新】 | 八千代市・佐倉市の不動産のことなら川島不動産
3戸に1戸が空き家になるvol.110
先月、査定の依頼があったのですが、場所は八千代市保品で典型的な昔ながらの地主様のお宅でした。平成に入ってから増築はしたものの、母屋は本人曰く200年位前に建てられた古い農家住宅でした。土地は、山も含めれば1,000坪ありました。その方は、7年位前から一人暮らしという事で、売却して便のいいマンションにでも引越ししたいとの事でした。
一般的な住宅地であれば、取引事例や公示価、経験値等で査定金額を出すことに慣れておりますが、市街化調整区域で、農家住宅で、土地が1,000坪ということになりますと、非常に難しく感じました。ちなみに固定資産税評価額は約2000万円となっておりました。一般的には、固定資産税評価額は時価より、低くなっておりますので、さすがに2000万円以上では売りたいだろうなと思いながら、取引事例を調べたり、他の不動産業者に聞いたりしました。
取引事例はなかったので、中古物件を再生して再販する業者にいくら位であれば検討できるか打診したところ、金額は出してもらえましたが、500万円にも及ばない金額でした。売主様に伝えたところ、売らないという結論にいたりました。お気持ちは非常によく分かります。交通の便が悪いとはいえ、固定資産税評価額が約2000万円あり、土地も1000坪あります。しかし、それでも売るべきなんだと思います。下記表は、空き家の戸数と空き家率及び予測を表したものになりますが、2030年には、空き家率30%の予測が出ております。
ちろん有効活用している例もあります。古民家を再生してカフェや宿泊施設を運営したりしています。
しかしながら、2030年には2000万戸を超えると予測が出ている空き家を吸収する需要は、賃貸にしても、売買にしても非常に想像し難いものになります。以前のニュースでも書きましたが、実際、弊社において戸建住宅が80万円で取引されたケース、公団住宅が40万円で取引されたケースがあります。また、既に売れない物件も出てきております。東金の物件(土地46坪)を2年位前から150万円で売り出しているのですが、全く反響がとれていません。そうならないよう、特に遊休不動産に関しては、早めに見切りをつけることが大切だと思います。
塩田了丈