不動産会社決算【2024-06-01更新】 | 八千代市・佐倉市の不動産のことなら川島不動産
不動産会社決算vol.193
最大10連休のゴールデンウィークが終わってしまったところですが、9日に住友不動産、10日に三井不動産、三菱地所の2024年3月期決算が発表されました。数字は下記の通りとなります。誰でも聞いたことのある、御三家とも言われる不動産会社であります。三井不動産は売上、各利益ともに過去最高、三菱地所は売上、純利益が過去最高、住友不動産は各利益が過去最高ということで、不動産市況の活況を表す形となっております(過去最高は太字にしております)。
・三井不動産 売上2兆3832億円 営業利益3396億円 経常利益2678億円 純利益2246億円
・三菱地所 売上1兆5046億円 営業利益2786億円 経常利益2411億円 純利益1684億円
・住友不動産 売上 9676億円 営業利益2546億円 経常利益2531億円 純利益1771億円
参考までに企業価値はどうなっているかと言いますと、令和6年5月10日時点ですが、三井不動産:4兆4千3百億、三菱地所:3兆8千8百億、住友不動産:2兆6千2百億という形になっていて、売上高の順番と同じとなっております。あらゆる指標からして、三井不動産が業界トップと言えるでしょう。三井不動産と言えば、このあたりで言えば船橋の商業施設ららぽーと、木更津アウトレットパーク等を運営しております。不動産を買いたい、売りたいと思うときに思い浮かぶ、よくテレビCMで流れる三井のリハウスは、仲介事業がメインとなり、私共にも馴染みがありますが、全体の売り上げから見ると実はすごく小さい数字になります。数字は下記をご参照ください。
仲介収益ランキング (2022年4月~2023年3月)
1位、【三井のリハウス】売上910億円 取扱件数39106件 2位、【東急リバブル】売上826億円 取扱件数29577件 3位、【住友不動産販売】 売上725億円 取扱件数34906件
いずれにしても、大手3大不動産会社の業績が良いということは、テナントビルの稼働が良い、分譲マンションの売れ行きも良い、商業施設にも人が集まっているのだろうということが想像できます。ただ、不動産業と言っても事業内容は多岐に渡ります。
大手仲介業者や地場業者においても取引の買い手となるケースが多い、飯田グループホールディングスという建売の大手企業があるのですが、昨年より業績が下降しております。24年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結最終利益は前年同期比53.0%減の311億円と大きく落ち込んでおり、4月8日には、通期の業績予想を純利益が59.0%減の310億円(当初は700億円)になる見通しとのことで、下方修正しております。主たる要因は仕入価格の上昇と資材の高騰です。当然新築価格に転嫁せざるを得ませんが、消費者が価格についていけなくなってきていて、在庫が増えてしまっている状況です。新築物件を購入しようと思っている人には、価格が下がっていく可能性が高いので朗報ですが、売りたいという人にとっては、今後価格が下落する可能性があるほどの大口の買い手であります。飯田グループの決算発表は5月14日の予定ですが、内容によっては、今後の不動産市況及び価格の試金石になるのではと思っております。 塩田了丈