境界確定と所有者不明土地問題【2024-09-23更新】 | 八千代市・佐倉市の不動産のことなら川島不動産

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境界確定と所有者不明土地問題
2024年9月のニュース

境界確定と所有者不明土地問題vol.197

 不動産取引と測量は切っても切り離せない関係にあります。測量にも種類があるのですが、大きくは3つになります。境界明示、現況測量、確定測量になります。不動産の売買を行う際には、基本的に上記3つのどれかを行う義務が売主様に生じます。境界明示はそれこそ長方形の土地であれば、4点の境界を示す形になります。意外と全ての境界がないことがあって、なければ新たに杭を入れたり、プレートを設置したりします。勝手にはできないので、境界を入れる際には権利関係者に立ち合いをしてもらいます。現況測量は、境界明示とも関わってくるのですが、4点の杭を基本にして面積を測量します。状況によっては、現況測量をしなければ、そもそも境界明示が出来ないケースもあります。確定測量は全隣接者から杭やプレートの確認及び書面による同意を得た中で測量します。よって、確定測量を行っていれば境界に全く問題がない不動産と言えます。

 先だって、売却を依頼された二つの土地があったのですが、二つとも確定測量が出来ないかもしれない事象が発生しました。理由はタイトルの所有者不明土地ということになります。隣接の所有者を調べる場合、まずは登記簿を取得して所有者を調べることになりますが、住所変更登記や相続登記を行っておらず、それだけでは所有者に繋がらない不動産は世の中にたくさんあります。それでも、測量を行う土地家屋調査士は職権で住民票や戸籍謄本を調べられるので、その調査で所有者が判明する場合もあります。それでも分からないときはヒアリング調査をして、所有者につながる人を探索します。弊社でお願いをしている土地家屋調査士は、非常に有能な方で、今まで所有者を突き止められなかった事がなかったのですが、2件連続でギブアップせざるを得ない状況が発生し、私も信じられない気持ちになりました。

 このような問題が起きないよう、以前のニュースにも書きましたが、今年の4月から相続登記が義務化され、令和8年4月からは住所変更登記も義務化されることになっております。また、実際にこのような問題に対処するために、去年の4月に所有者不明土地・建物の管理制度が創設されております。所有者不明土地に関し、裁判所に管理人を選任してもらい、その管理人に境界確定を行ってもらうという制度になります。今回の土地取引においては、一方は買主様に事情を説明し、また、現状の境界がある程度確認できたことから、確定測量を行わない形で話が進められることになりました。しかしながら、もう一方の物件に関しては、現地の境界も確認できず、また不明土地が2件あるという状況なので、弊社としても初めての試みとなりますが、所有者不明土地・建物の管理制度を使って、境界確定を進めることになりました。今後益々増えるであろう、所有者不明土地問題の試金石になればと考えており、ノウハウを吸収したいと思っております。最短でも4か月程度かかる見込みですが、結果に関しては、また報告させていただきます。      塩田了丈

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